近デジビューワの公開を終了しました

本日、近代デジタルライブラリー(近デジ)サイトがリニューアルされました!
先日の記事で夢想していた「Google Mapみたいにマウスでぐりぐり移動」が実現されていて、以前よりもレスポンスが良くなり、快適に閲覧できるようになりました。

Android端末で近デジが閲覧できないことから開発した「近デジビューワ」でしたが、今回のリニューアルでHT-03AWebブラウザでも資料が閲覧できるようになり、かつ、サーバ側の仕様変更により既存の近デジビューワでは資料を閲覧できなくなったため、Android Marketでの公開を終了しました。地味なアプリでしたが、ご愛顧くださった利用者の方々、ありがとうございました。(「縦書きビューワ」との連携で資料が探せて便利というメリットは残っているので、もしかしたら改訂版を作成し、公開を再開するかもしれませんが、予定は未定です。)

以下、新しくなった近デジサイトのレビューというかインプレッションを少々。

資料閲覧ページ

Ajax化という派手な部分の他にも、資料閲覧ページのHTMLタイトルに資料名が入るようになったのは地味にありがたいところです(これまではブックマークで区別がつかなかった)。

一方、ちょっと残念だったのは、左のページに向かって読んでいく画面なのに、次のページへ進むボタンが「>」(右向きの矢印)になっていて直感にそぐわないところが改善されなかったことでした。(とは言え、分かりにくいボタンがごちゃごちゃ並んでいた以前のときほど気にならなくなりました。)

これは左から右向きに進んでいく欧米由来のインタフェイスを何も考えずに継承しているのかとも思いましたが、もしかしたら、あの矢印は「ページをめくる方向」を示していると考えるのではなく、「のぞき窓は固定で、その下で資料をスライドしていく方向」を示していると考えれば良いのかもしれません。

それと、資料閲覧ページに近デジサイトトップへのリンクがなくて不便なのは以前のままでした。

PDFが10コマずつしかダウンロードできないというのは、サーバ負荷の問題もあるので、おいそれと全ページまとめてOKとはならないのも理解できます(まあ、本気で読みたい人はバッチスクリプトを書いて落とすなどしてユーザサイドで対応できるし)。

検索結果と書誌情報ページ

検索結果から書誌情報ページに遷移した場合に、書誌情報ページ内に前後の書誌への移動リンクが設けられたのは改善された点です。

それはそれで良いのですが、検索結果画面から複数の書誌情報ページを開けるようにしてもらえるともっと便利なのにと思います。今のままだと、検索結果リストから複数の書誌情報ページを開いて見比べることや、書誌情報ページを直接ブックマークすることができません。

検索画面を複数開いて使う場合、検索結果画面や書誌情報ページのHTMLタイトルには検索語や資料名が含まれていないので、タブブラウザでは区別がつかないのも残念なところ。

ユーザ視点に立った費用対効果の高い改善を

リニューアル前は、なんというか90年代半ば的なインタフェイスでした。マルチウィンドウやタブブラウジングが当たり前になる前の設計思想的な部分がまだところどころに残ってはいますが、大分モダンになって使い勝手が良くなりました。近デジは、面白い資料が収蔵されているわりに使い勝手の悪さで損をしていたサイトだと思うので、今回の変更はとても悦ばしいことと思います。

サイトトップへのリンク追加とかタイトルに資料名を入れるとか、簡単で予算もかけずにできる変更だけど、着実に使い勝手が良くなるような、言わば費用対効果の高い箇所は、今後もより一層改善されると良いなと思います。

レファ協検索用APIを公開したり、国立公文書館デジタルアーカイブもリニューアルしたりと(HT-03Aでも資料が閲覧できるようになりました)、ここのところ活気づいているので、今後のさらなる展開に期待です。